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平成23年度一発目の更新は
『なんかかいてみたり』のcoroさん主催のアイマスSS企画、アイマス一時間SS
です。

今回のテーマは『ずるい』『ダークサイド』『派閥』『ジャケット』でした。

僕が選んだのは『ずるい』です。

……関係ないですがMA2のいおりんのジャケット可愛かったっすね^p^

いやあ、過去に何度か参加させていただきましたが、タイムシフトもタイムオーバーもなく出来たのはこれが初めてですね! ハイ、だめですね!

そんな感じで本年度もかるーあ食堂をよろしくお願い致します。因みにMBF関連の更新は後日行います。

それでは以下、SSです。





◆  ◆  ◆  ◆  ◆





strawberry kiss





 「もーらいっ! なの!」
 「あ、ちょっとコラ!」
 窘める間もなく、私の紙皿に鎮座在していたショートケーキの上からつまみ上げられた大粒の苺は、目の前のわがままお姫様の口の中へと放り込まれ、消えていった。
 ふにふにと愛らしい頬を両手で挟み込み『ん~!』だなんて漫画のキャラクターよろしくな歓声を上げる彼女はまぁ確かに可愛らしいけれど、それとこれとは別問題であって、この私に食べ物の怨みを買うようなことを進んでやってのける彼女には恐れ入った。
 「みぃぃきぃぃ!」
 「ひゃう!? ちょ、ちょっと律子……さん、たかが苺一個食べちゃったくらいでそんなオニみたいな……」
 「だまらっしゃい! 食べ物の怨みは地震より雷より火事より恐いのよ……こっちいらっしゃい、粛正してあげるっ!」
 「丁重にお断りしまーす! なのっ!」
 当然のように逃げようとする彼女だけれど、そもそもここは手狭な事務所内に設けられた更に手狭な応接スペースだ。彼女が逃げ切る為には事務スペースとの間にあるパーテーションを蹴り倒しでもしない限り、私の横をすり抜ける以外に逃げ道はない。
 加えて運の良いことに(彼女にしてみれば悪いことに)今は小鳥さんも社長も他のみんなも出払っている。助けを呼ぼうと悲鳴を上げたとして、それはそのまま私から受けた粛正に呼応する悲鳴へと簡単に切り替わってしまうだろう。
 と、いうことで。
 「つ・か・ま・え・た!」
 「つかまった……なの……。」
 壁際に逃げるのがそもそもの間違いよ、と三人掛けのソファの上に組み敷いた彼女に死刑宣告を降らせながら、私はこれ見よがしに指をぽきぽきと鳴らしてみせた。
 まるでリスか何かのように右の頬を膨らませたままの彼女は視線をあちこち飛ばして逃げ道を探索しているらしい。が、それも無駄なことだとわかったのだろう。
 すぐに観念した様子で私をまっすぐに見上げると、彼女は僅かにその可愛らしい唇を開いた。
 「じゃあ……半分返すから、怒らないで。」
 ところが。
 彼女の言葉に『え?』と私が疑問符を浮かべた直後。
 いくら私が彼女の腰より下を跨いでいたといっても、美希は全く予備動作も無く上半身を起こした。それこそバネ仕掛けの人形が跳ね起きるように。
 いくら運動をして鍛えているといってもまさかこんな、などと考えている隙はなかった。
 彼女が私の腕を掴み腰に手を回して。少し乱れ、長く揺れる金髪になぞられた顔の輪郭が、私の口元に寄せられる。僅かに漂ったのは瑞々しい苺の香りだろうかと、そう思った次の瞬間。
 「ふ、あむ……ん、んぅ。」
 一瞬濃密になった苺の香り、そのあと交わって重なったのはそれに劣らない瑞々しさを湛えた彼女の唇。抵抗すら出来ない私の中に滑り込んできた舌はすぐに引き抜かれ、代わってそこへ一瞬に送り込まれてきた果肉は本当に苺なのかとわからなくなるくらいに甘く、熱くかった。
 「ぷはっ。」
 「んっ……はっ。」
 「……はんぶんこ。あと、ゴメンナサイのしるし。」
 呆然とする私を覗き込む翡翠のような双眸は確かに『ごめんなさい』という色を見せている。
 けれど、私の視界を僅かに掠めて彼女が伸ばした右手は、今度は彼女の紙皿の上に分けられていたケーキに伸びていた。
 引き戻された白い腕、手入れの行き届いた細くしなやかな指が携えていたのは、またしても鮮やかな赤を封じ込めた果実だった。
 「ね、今度は律子が……美希にはんぶんこ、して?』
 私の口内に静かに押し込まれる苺を二度三度、目の前の彼女に促されるまま咀嚼する。何をしているんだ私は、と冷静に自分を見つめる目はあるのだけれど、それに逆らうには余りにも、このわがままなお姫様の唇は、言葉は力が強すぎた。
 「ちょうだい、律子。」
 ずるい。
 こんなこと、私は――そこまでなんとか考えてから、私は思考も意識も放り投げて再び彼女の唇に自分のそれを重ねた。
 先ほどと真逆の行為を受け入れながら、またしても濃密に織り成された苺の香りに、私はもうどうすることも出来なかった。

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かるーあP

Author:かるーあP
絵を描いたり文字を書いたり下ネタを綴ったりする。

基本的には移り気だけど、時と場合で一本気なひと。

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